繋いだ糸のその色を
体育館をそお――っと覗くと、あのお馴染みの二人が居るじゃねえか。あ、双子の事ね。

真二は床の異変に気付いた。

え?何コレ?ちょ・・・っと待て
頭がついてけない―――

「―――これ・・・・お前等がやったのか?」
思わず口に出てハッとなる。双子が気付いてバッと振り返った。

コレ―――床に、まるで大地震でも起きたようなヒビが出来ている。それとも大爆発?

どっちにしろ、これは異様な光景だ。
何で俺、こんな冷静に観察できてんだ。

こんなヒビを、この双子ができるはずないのは解ってるが、この場に居た二人がやったとなんとなく解釈してしまった。

実際、こいつら変だし――

だが帰ってきたのは、真二の解釈とさほど変わらない答えだった。

「私達じゃない ―――二宮弥生だ」

いや、それよりも強烈な。

「は?」
何言ってるんだコイツらは・・・みんな狂ってるのか?
「二宮が、こんな事できるはずないだろッ?っていうか何が起きたんだよ!?」

椿が、じーっと真二を見るので真二は思わず口をつぐむ。何?何だよその眼?

「―――龍ノ原、お前ココに入れたのか?」
椿が、ありえないって眼で言ってきた。

ココって体育館か?
「はい・・・・れたけど・・・?」
話が読めない分、真二の口調が弱弱しくなっていった。

椿がチッと舌打ちしたので、余計混乱する。
「外との幕も破れるなんて
 ――――かなり進行してる」

真帆が頷く。
「羽時静をほっといたのは、失敗だったな。
 逃げる手助けになってるようだ」

静?
真二が反応したのと同じ瞬間、真帆の視線が静に向いた。

「お前―――羽時静と仲が良かったわよね?」

それが何か?反抗的に言ってみると、真帆はフッと微笑んだ。

「協力してほしい
 二宮弥生を捕まえるのを」

また、何の説明もなしにそんなコトを――

「『全部』説明してくれんだったら」
真二が短く言うと、椿が先に歩き出し、真帆が笑みを崩さず言った。

「時間がない 説明は歩きながら―――交渉成立だね?」

また勝手に成立って・・・・

思いながら真二は、椿と真帆の後を追う。
< 49 / 66 >

この作品をシェア

pagetop