繋いだ糸のその色を
裏口から外に出ると、椿が体育館に垂直に真っ直ぐ立ち見上げる。

何をする気だ?椿に近づこうとして、真帆に止められた。
「近づかないよ 体を角切りにされたくなければ」

その瞬間。
あの時、運動場から見えたような光があたりを包んだ。

思わず眼を瞑って、しばらくし開く。

すると眼に前で、得意げに体育館を指差す椿が居た。
その視線は真二のまま。

あ?俺にみれって言ってんの?
真二は裏口から体育館を覗く。真二はそのまま釘付けになった。

あのヒビが元に戻ってる―――――!?

まるで何もなかったかのように、ピッカピカに光る床。真二を嘲笑ってるかのようにさえ思えるほど。

「さっき、外と時空を切り離してたから
 その間に起きた異常なら 何でも消せるのよ

 ―――信じられないだろうけど、これは現実」

真帆が静かに言う。

「驚いてる暇もないの
 二宮弥生と羽時静が隠れるなら――どこに隠れると思う?」

真二は驚きで騒動する頭の奥を、必死に駆け巡り一つの場所に思いあたる。

「・・・・・着いて来い 案内する
 だからいち早くこの意味の解らん、ファンタジックな現象を説明しろ!!」

何も解らないけど
一つ解った

今起きてる―――起きようとしてる事が
ただ事じゃないって事

それは確かだ。

< 50 / 66 >

この作品をシェア

pagetop