繋いだ糸のその色を
双子が、二宮を監視してたのは『悪夢』を狩るため。
だがその度、真二や静の邪魔が入り・・・痛いトコだ。

そして先ほど体育館に二宮と静を呼び出し、悪夢を狩ろうとしたトコロ、二宮の悪夢が予想以上に進行していた

夢潰しに対応できる力―――あの体育館のヒビだ。

そして逃げ出した二宮と静を今、追っている。


「・・・・なんかココまで進行しちゃったの俺らのせいみたいな・・・」
真二が言うと、椿が「その通り」と低く言った。

わー まじすんません。

「だ・・・だったら最初から二宮が『悪夢』だって説明してくれらりゃいいのに」
「悪夢は機密事項だ。人にもらしてはいけない」
「何で?」

悪夢の事を世界に公表して、注意を呼びかければ
悪夢に浸かれる人も減るんじゃないだろうか――

「甘い」
真帆が言う。
「悪夢の事を知って、自ら悪夢を求めてしまう弱い奴らが、世界にウジャウジャいるからよ

 人間は弱いんだから、丁重に扱わないと」

声が―――冷たい

まるで怒ってるようにさえ思えた。
悪夢に捕らわれてしまう、弱い奴らに。


―――― 生きてても意味ない

俺等が居るというのに、自らそんな馬鹿な事言う奴はいるし

―――― 一生夢をみて生きていたい

そんな夢みたいなアホな妄想する奴はいるし・・・


どんなに孤独を感じようと
どこかで見ている人はきっと居るのに

どうして俺に気付かないんだ あのバカップル。

真二と双子の足取りはいっそう速くなる



焦る気持ちが映し出すように

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