繋いだ糸のその色を
静が顔を上げると、居たのは高原とその周りに群がっている女子。二宮に嫌がらせをしていた、醜いアホ等(静解釈)

二宮が静の顔を覗きこみ、ニコッと笑う。
静がどう反応していいか迷ってる内に、二宮はスッと腕を上げた。

そして、人差し指を高原達に真っ直ぐ向ける。

「――――この人たち やっちゃって」

二宮が言った瞬間
ギイィイッと、金属音に近い音が空を裂き、白い割れ目から奇妙な格好した者が現れた。いや、落ちてきた。

ものの、0.6秒ほどでの登場――

一輪車をコキコキ乗って
黄色やら青やらの派手なコスチューム
そして、目立つだけの化粧と赤い鼻

―――ピエロ

その滑稽な姿は、次の瞬間で憎悪と化した。

ピエロは高原達に向かう。
その腕から、手品のようにパッとナイフを取り出して。

「やめ―――っ」

叫んだ瞬間、遅かった事を感じる。

血が白い空間に散って
肉と化した塊がピンポン玉みたいに飛び跳ねる。
ピエロがクルクル回るたび
そのナイフが色を濃せていく
ピエロが愉快に踊るたび
その空間が赤く染まってく

静は二宮の肩を強く掴み、ピエロから視線を逸らせた。

「―――――やめて 二宮さん!!」

怒鳴った瞬間、パチンと高原達は消え
後を追って、惜しむようにピエロが泡が弾けたように消えた。

「あーあ 消えちゃった・・・・」
気付いた二宮が、悲しい顔して呟く。

だが、またパッと顔を輝かせ駆け出していく。

「見てて 羽時くん ―――!!」


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