繋いだ糸のその色を
言った二宮の後ろで、空間がうごめいた。


綺麗な花が咲いて
みんな笑ってて

でもそのずっと奥で、学校やらビルなんかは朽ち果て、そこで暮らす醜い奴等は悶え苦しんでいる。

正しい人は幸せで
間違った人は不幸せ

そんな当たり前で、ありえない情景が広がっていた。

「凄いでしょ!?私、ずっと此処で暮らすんだよ―――」

その世界で笑う二宮。 


此処は二宮の夢の世界
だから思い通りに何でもなる
俺が居る事で、俺の思いも稀に出るらしい

って事は、さっき『高原達』のも全て二宮の願い―――?


頭の中を整理して、静は二宮の眼を見る。


ふざけんな―――


「俺は嫌だよ こんなん」

静が低く呟く。
二宮が「え?」と眼を見開く。
静は、今度ははっきり言った。


「こんな二宮さんは 嫌い」


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