繋いだ糸のその色を
気がつけば、そこは真二の部屋だった。

いや・・・まだ夢の中なのかも
って事は今、俺の顔を見てる真二も夢?

とかなんとか考えてたら、真二に思いっきり殴られた。
「おはよう 静くん」
今の行動でニッコリ笑いやがったコイツ。

ずっと眠っていたみたいな――実際、寝ていたんだろうけど
軋む体を起こす。そこは真二のベット。

「夢じゃないから 俺は」
ムスッとして真二が言った。

何で怒ってるんだコイツ――

真二の顔を見て、へにゃっと力が抜けるみたいに笑みがこぼれて来た。
「解ってる」
そのまんま、へにゃっと言ったらもう一発殴られた。

何でもう一発殴られたのかは全く解らないが
――とりあえずココは二宮さんの夢の中ではないらしい


「よくもあんな進行してる『悪夢』の状態から
 抜け出せたな」

低いトーンが相変わらずのこの声――
横を見ると、そこに居たのはやっぱり椿。

「・・・・・・何だよ その顔」

思いっきり顔をしかめた静に椿が言う。

「せっかく俺等が助けてやったってのに」
「は?助けた?」

首を傾げる静に、あーそうか。コイツは何もしらねーんだわ、と思い当たる椿。

知る権利はあるだろうと、説明しようとした椿を遮って、静がベットから身を乗り出す。

「――――二宮さんは!?」


コイツの頭の中はそれしかないな

椿と真二は、眼を合わせ呆れた表情をする。

「二宮なら、隣の部屋のベット
 如月の姉貴と一緒」

真二が短く言うと
静はベットをサッと降りて

隣の部屋へ通じるドアに手をかけた。
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