繋いだ糸のその色を
僕は青春まっさかりな高校生。
女子に興味を持つその時期。


高校生は、積極的なのだ。
そして時はもう昼休み。

「二宮さん―――おはよう」

静は、机に座り本を読む彼女に声をかけた。

二宮は慌てて顔をあげる。
おーおー狼を怖がる赤頭巾の眼。
何か二宮の反応が読めてきた。

二宮は戸惑いながら、口を開く。

「お・・・おはよう 羽時くん・・・・」

「あれ 俺の名前知ってるの?」
ちなみに静の苗字は羽時だ。

「知ってるよ 同じクラスだもん・・・」
相変わらず、自信のない口調で二宮は言った。

何だろ―コレ。
―――楽しいかも。

「朝さ、何撮ってたの?」

静は唐突に聞いてみた。

二宮の眼が僅かに見開く。
恐る恐るに、静の顔をまじまじと見た。

そして思い出す。
今朝会った、あの怖い奴――

まさに目の前の彼を。


「別にっ・・・何だっていいじゃんっ」

あらま。
意外にも二宮は強気に答えた。

でもその顔は真っ赤。林檎みたいだ。
もしかして恥ずかしい秘密だった?

「い―じゃん 教えてくれるぐらい
 友達でしょ」

だが二宮の反応は静の好奇心を
仰ぐだけで、静はひく気などなかった。

「羽時くんは 友達じゃ――」
「二宮さんてさ、」

二宮の言葉を遮って
静は言う。

「友達いるの?」



悪い事を言ってしまった。
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