初恋しても、いいですか?
朝、家でとてもバタバタしていた。
朝起きたのが八時、学校に着かないといけないのは八時十五分。どんなに急いでも学校まで二十分。
ああ、完全に遅刻だ。
そう思った私は諦めてゆっくり準備することにした。
親はもういない。・・・死んではいない。

父親はアメリカに単身赴任、母親もキャリアウーマンという奴でほとんど家にいない。
だから私は家ではいつもヒトリ。それか母親が雇った家政婦と一緒。
でも家政婦の存在なんて結局空気と同じ。機械的に食事を作り、ロボットのように変わらない動きで掃除を済ませ、仕事が終わったらさっさと帰る。
そんなのとは一緒にいても一緒じゃない。何にもならないから。

そんな感じだからちょっと寝坊したからって怒る人がいなければ、遅刻してなんだという人もいない。
怒るのは先生とかだけ。・・・それでも最近はもうすでに呆れられている。授業を真面目に聞かない、言っても聞かない。そんなんだからほぼ放置状態。・・・本当にどうしようもない。

そんな状態だけどあまり遅刻しないように早めに準備する。でももうすでに時計の針は十分過ぎ。
仕方ないけど、そんな状態でも学校に行く。家にいても学校にいてもつまらないけど、まだ学校の方が救いようがあるから。

行ってきます、家政婦がまだ来ていない、誰もいない家に呟き、家を出た。
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