She and I・・・

☆17☆ ~星・考えてもみなかったこと・・・

――地下を走った電車は駅に着いた。

駅はずいぶん立派になっていたが、
交番というシステムは健在のようで、
やはり交番の前にはバスの停留所があった。

宇宙省から支給されたパスで、
電車とこのバスも同じように乗降できた。

みっつめ
のバス停で降りる。

ベンチから
千夏が立ち上がってくる幻影が見えた。

あの夏の暑い日、
高校生だった千夏の姿が・・・

道の反対側のバス停には、
僕を見送った大学生の千夏の姿が・・・

そのどちらも幻だった。

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