She and I・・・
★5★ ~星・きっかけ
--彼女と初めて会った日・・・
バス停に迎えにきてくれた彼女。
「行きましょうか」
促されて歩きだす。
半歩先に行きながら彼女が話し掛けてくる。
「奈良さんは、何を研究なさっているのですか?」
「まだ、研究というほどのことはしていません。入学したばかりなので基礎の勉強をしているところです」
「分野は兄と同じなんですよね?」
「そうです。大変お世話になっています。今回もお言葉にあまえてしまいまして・・・」
「そうですか・・・」
ホラ、と言いながら彼女は手にした参考書の背表紙を見せてきた。
彼女の手にある参考書の背表紙には、
僕の大学の名があった。
「私も兄と・・・」
一度地面に視線を落とし、
次に少しはにかんだ表情で、
「そして、奈良さんと・・・」
「同じ道を志望しています」
はっきりと宣言するように言った。
驚いた。
女性でこの道を志す人はそう多くはいない。
「来年受験ですか?」
「いいえ。まだ高校2年生です。今からでも間に合うかどうか・・・。受験の難関校ですものね」
「あなたなら大丈夫でしょう」
「あら。私のこと何も知らないのに」
「すみません。大宮先輩も宇宙探査局への入局が、ほぼ内定しているそうですし、何よりお父様がこの分野の第一人者の大宮教授じゃないですか。だから、あなたもきっと優秀なのだろうと・・・」
「私自身には関係のないことです」
内容はきつかったが言葉は柔らかかった。
僕はこのはっきり意志を持った女性に惹かれ始めていた。
「すみません。軽はずみなことを言って。確かに僕は初めて会ったあなたのことを何も知らないです」
バス停に迎えにきてくれた彼女。
「行きましょうか」
促されて歩きだす。
半歩先に行きながら彼女が話し掛けてくる。
「奈良さんは、何を研究なさっているのですか?」
「まだ、研究というほどのことはしていません。入学したばかりなので基礎の勉強をしているところです」
「分野は兄と同じなんですよね?」
「そうです。大変お世話になっています。今回もお言葉にあまえてしまいまして・・・」
「そうですか・・・」
ホラ、と言いながら彼女は手にした参考書の背表紙を見せてきた。
彼女の手にある参考書の背表紙には、
僕の大学の名があった。
「私も兄と・・・」
一度地面に視線を落とし、
次に少しはにかんだ表情で、
「そして、奈良さんと・・・」
「同じ道を志望しています」
はっきりと宣言するように言った。
驚いた。
女性でこの道を志す人はそう多くはいない。
「来年受験ですか?」
「いいえ。まだ高校2年生です。今からでも間に合うかどうか・・・。受験の難関校ですものね」
「あなたなら大丈夫でしょう」
「あら。私のこと何も知らないのに」
「すみません。大宮先輩も宇宙探査局への入局が、ほぼ内定しているそうですし、何よりお父様がこの分野の第一人者の大宮教授じゃないですか。だから、あなたもきっと優秀なのだろうと・・・」
「私自身には関係のないことです」
内容はきつかったが言葉は柔らかかった。
僕はこのはっきり意志を持った女性に惹かれ始めていた。
「すみません。軽はずみなことを言って。確かに僕は初めて会ったあなたのことを何も知らないです」