She and I・・・
通りに面して1階部分に3台は停められそうな車庫があり、その横の階段が2階にある玄関へと続いていた。
一緒に階段を上り、彼女が自分の家のチャイムを鳴らすのを後ろから見ていた。
しばらく、待ってみたが内側からの応答はなかった。
「まだみたい。私たちの勝ち」
彼女は鍵を取り出す。
「今、開けますね」
といいながら鍵をさそうとする。
「いや、僕は外で待つよ」
彼女と二人だけで家に入るのが躊躇された。
「そう。では庭で待ちましょうか」
建物の横手を周り、裏側にでると広い庭があった。
「表の道とこちらでは地面の高さが違うの。だからこの庭は裏の道と同じ高さよ」
木戸があり、そこからも出入り出来るようだった。
背の低い庭園灯と小さな池、白いベンチ。
ちょっとした公園なみだ。
小さな池といっても埋め込み型の水槽のようなものだけど。
カメがのんびりと泳いでいた。
「座りませんか?」
ベンチの横で彼女が言う。