She and I・・・

千夏と再会できないかもしれない--

と考えたことはあった。

それは宇宙を漂流していた時にも考えたし
帰路にいると信じていた時も考えたし
埋められない年月が生じてしまったことがわかった時にも考えた。


だがあれこれと思い悩んだ中に『千夏の死』はなかった。


他の誰かと幸せに暮らしている千夏。

僕の帰りを待ってくれているはずの50歳の千夏。

それくらいしか思いつかず、

僕はどういう顔をして逢えばいいのか、

僕は千夏と逢ったらどう思うか、



僕は千夏を変わらずに愛せるのか、



僕は千夏と再会できなかったらどうしたらいいのか、

僕は、

僕は、

僕は、僕の事しか考えていなかった・・・

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