She and I・・・
木戸を背に座ると池をはさんで、建物を向かいに見る形になる。

二人で並んで座ってちょうどの大きさのベンチ。

ちょっと近すぎる気がした。

なるべく端に座る。

「大きな家に広い庭だね」

「父と母と兄と私の四人には広すぎるくらいだわ。でも、父の本がたくさんあるから図書館にしては小さいかもね」
「図書館か。それはすごいね」

「分野にいささか偏りがあるけど」

「もちろん、宇宙?」

「ええ。宇宙と名がつけば科学的でなかろうと子供向けであろうとおかまいなし。ものごころついた頃には小さな宇宙博士になっていたわ」

「そのまま大きな宇宙博士になるんだね」

「ええ。目指しています。だけど”大きな”はどうなの?

それに”宇宙博士”というのも馬鹿にしてない?」

「ごめんごめん。”小さな宇宙博士”をそのまま成長させてしまったよ。悪気はないんだ。ほんとごめん」

「あまり謝らないで。悪気がないのもわかっています」

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