She and I・・・
「父か、僕のどちらかが生きている限りは君の帰りを待とうと家族で決めたのだ」先輩が言う。

「暴走してしまったシステムをなんとか、冷凍保存が出来る状態にまでは復旧させた。ずっと、慎重に管理してきた・・・千夏を傷つけないように」

「・・・」

「最後のお別れをしていただけるかしら」
千夏のお母さんの問いに

僕は言葉を発することが出来ず

ただ頷いた。

「君の別れがすんだら、千夏の死を正式なものにし、きちんと葬ってやるつもりだ。だから、君が来てくれることがわかってからは、解凍の手順に入った」

「僕たちはしばらく席を外す。タンクのハンドルを廻せばハッチが開くようになっているから」

と先輩は言って、先に出て行った両親を追った。

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