She and I・・・
「うん。実際、千夏さんは・・・」
(いいの?という感じで)眼を見ると彼女は頷いた。
「・・・千夏さんは、何を専攻するつもりなの?」

「人類が宇宙に出ていくにあたっての必要な周辺技術について。コロニーでの生活とかね」

「へえ。おもしろい見方だね」

「ええ。私、素直じゃないから。奈良さんは?」

「僕は、ストレートに少年の夢、宇宙飛行士」

「奈良さんらしい」

「僕のこと、良く知らないのに?」

「もう知ってます。あまり人と交流しないのは、照れてるだけ。素直な少年がそのまま大きくなっただけだから」

「人と交流しないって、なんで・・・」

「兄がね・・・」

「おもしろい奴がいるんだけど、地方から上京してきたせいかガードが固くてなかなか地を出さないって言っていたの」

「面白い奴って僕?」

「あちらもこちらもたいして変わらないんだってわかれば、もともとの性格が出るはずだって」

「それで・・・」

「私はうちが”普通の家”なのかどうか疑問だったけど。でも兄の言う面白い人に興味津々だった。だから、迎えに行くように言われた時は嬉しかったわ」

「そんなことがあったのか」

僕は上京してきてから肩肘をはりすぎていたんだろうか?
その時、突然家のほうから声がした。
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