She and I・・・
「遅くなってすまない」
一人の紳士が入って来た。

「父さん」

父さん・・・ということは、あの有名な--

「大宮です」
と教授が名乗った。
立ち上がり、
「奈良です。お邪魔しています」

「いいんだ。続けてくれ」

先輩から基本的な操作法を教わり、早速いじってみた。

慣れるまでにそれほど時間もかからず、だいぶ思うように操れた。

「さすがだな」
先輩が感心したように言う。

「さんざんUFOキャッチャーで鍛えましたから」
冗談のつもりで言うと、
「そういうことも関係しているかもしれないな」
と妙に真面目に応対されてしまった。

先輩が後ろで見ていた教授の方を振り向いた。

「うむ。おもしろい」

「面白いですか」
今日はよく面白いと言われる日だ。

「いや、面白いではなくて興味深いという意味の”おもしろい”、だよ」

「はあ」としか言えなかった。

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