She and I・・・
歓迎会の雰囲気がパッと変わり、
もう誰も僕のことなど気にかけず、

君に歓声を送っていた。

それまでおとなしくしていた君を

君のことを知らない男たちが、

ちらちらと気にしていたのに気付いていた?


僕も君の様子をうかがっていたから、

ひそかに君が注目の的になっているとすぐにわかったよ。

みんなが君の魅力を認めているようで嬉しくもあり、

自分が先に知っていた君が、みんなに知られる存在になったことを嫌なことに思えたりした。

自分から立ち上がったことで、ひそかにではなく一気に本当に注目の的になってしまったのも、

原因が自分のせいだと思うと自分のことが腹立たしかった。


君が名前を名乗ると、
場はさらにザワザワしたね。

その前の年までサークルにはお兄さんもいたし、お父さんも有名だからね。

おお、彼女が大宮先輩の妹か。

という声も聞こえた。

君と同じ新入生たちは大宮先輩のことは知らないから、なんのことかわからない顔をしていたけれど。
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