She and I・・・
--自分の子供を育てるのは同じようにいかなかった。


言うことを聞かない。

反抗的な態度をとる。

何度同じことを注意してもなおらない。

親を尊敬しない。

ほとほと困り果てた。


我が子の成長を見守る親のようなものだと思って育てている部下たちは、どんどん優秀になっていくのにだ。

何が違うのかを考えた。

決定的に違うのは、

部下に接するときにこちらは子供に教えるようにと思っていても、教えられる方には子供としての自覚はないことかもしれないと考えた。

親子ではないからこそ、

言うことを聞くのだ。

部下だという自覚が強くなればなるほど反抗しないのだ。
仕事がどういうものか理解するようになれば、それを立派にこなしている年長者を尊敬出来るのだ。

自分が仕事の上で成長しようと思っている者は、注意に耳を傾けるのだ。

受け手の立場がまったく異なることにようやく気が付いた。

部下は我が子ではないし、

我が子は自分の部下ではないのだ。

そう思ってからは、

部下に対しては、
まず自分が社会人として、立派であろうと心掛けた。

我が子に対しては、
家庭人として、懸命になることを心掛けた。

背中を見て育つ、という言葉があるが

自分の背中を自信あるものにしたかったのだ。
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