すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
それはまだ、純粋すぎたトキ・・・
中学受験を無事に突破して、憧れの中学校生活を夢見ていた。
可愛い制服に身を包んで、念願の学校に通える。
1年という期限アリでも、毎日の登校が楽しみだった。
また拓海と、一緒にいられるコトが嬉しくて・・・
拓海が中学校に行ってしまって、殆ど会えなくなっていて。
それがすごく寂しくて、前みたいに戻りたいと思っていた。
優しく笑い掛けてくれる、大好きなお兄ちゃんだから。
ずっと、ずっと、一緒にいるつもりだった――
入学後は友達も出来て、勉強もそれなりに頑張っていた。
中学校って楽しい所なんだと、思い始めていたの。
だけれど、それは甘い考えだったね・・・