すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
目の前の女生徒たちは、目を見開かせていて。
あたしも引き寄せられるように、後ろを振り返った。
どうして・・・?
固まっているあたし達を尻目に、準備室内へと入ってきた。
グイッ――
あたしの肩を引き寄せると、女生徒たちを見回していて。
「悪いけど、蘭は返して貰うから。
今後一切、蘭には近づかないで貰える?
大事な幼馴染みだからさ・・・」
ニコリと笑顔を浮かべつつ、彼女たちにそう言った拓海。
だけれど、声のトーンがすごく低くて、どこか冷たくて。
驚いたあたしよりも、女生徒たちの表情は青ざめていた。
すると、暫くして・・・
「…了解して貰えた?」
重い空気を払拭するように、いつもの優しい声が響く。