すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
ハジメテの日
女生徒に囲まれて、言われのナイ罵倒を受けたアノ日以来。
拓海に助けて貰ったお陰か、それ以降は苛められるコトが無くて。
あれからまた、それなりに楽しい学校生活を送っていたの――
ずっと続いていた登下校の時間も、やっぱり楽しい大切なトキで。
変わらず優しい拓海に、ずっと気付かないフリをしていた。
だけれど、あたしの中で生まれゆくモノがあったのも事実。
“庶民の分際で・・・”
この言葉が胸に重く、ズシンと圧し掛かったままだった。
アノ日から・・・何となく、理解し始めてしまって。
どこかキョリを置いて、線引きをしている自分がいたから。