すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
保育園のバスが、そろそろお迎えに来る時間。
あたしはママと、玄関前でバスを待っていた。
「蘭ちゃん、おはよう!
今日も保育園頑張ってねー!」
ガーデニングに勤しむおばさまが、手を振って挨拶をしてくれた。
「拓海のママ、おはよぉ!
いってきまぁーす!」
あたしも大きな鉄柵越しに、手を振って返した。
すると・・・・
「蘭、ダメでしょ――!
拓海のママじゃなくて、奥様と呼びなさい!」
隣にいたママが突然、ムッとして怒り始めた。
「なんでー!?
拓海ママに、そう呼んでねって言われたもん!」
ぶぅっと頬を膨らませて、言い返すあたし。