すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
「ふっ・・・ンンッ――!」
ブラウンの瞳で見下げられたまま、荒々しく重ねられた唇。
温かさと柔らかさで翻弄され、瑞々しいリップ音が鼓膜を揺らす。
「ンンッ・・・っ・・」
ファーストキスだったあたしは、呼吸の仕方すら分からなくて。
僅かに出来た隙間から、酸素を求めて開口してしまう。
「ッ――!」
待ち構えていたかのように、拓海が舌を捻じ込んでくる。
すべてが初めてのあたしは、激しく絡み取られて、なす術もなくて。
急上昇する体温と鼓動の早さに、思考回路なんてモノは寸断されてしまう。
するりと制服の中へと侵入する手さえも、止められないほどに夢中で。
拓海から降り注ぐキスを、精一杯に受け止めていた・・・