すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
拓海ママに、言われたんだもん。
あたしは悪くないよ!
ママから視線を外すと、不貞腐れるあたし。
昨夜降った雨のせいで、濡れたアスファルトを見ていて。
拓海とは別の幼稚園だし、寂しいなぁ・・・
一緒に通えたら良いのにね?
「とにかく・・・
これからは“奥様”と呼びなさいね?」
溜め息をついて落ち着いたのか、ママが諭すような口調で言った。
「なんでーー!?」
顔を上げると、頬を膨らませて尋ねる。
すると表情を強張らせたあと、諦めた顔を見せるママ。
「蘭が…、ママとパパの娘だからよ」
「それって、どーゆーこと?」
パパたちの子供なんて、当たり前でしょ。
ヘンなこと言ってるよね、ママ・・・