すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
拓海の本心
アメリカでMBAを取得して、数年ぶりに帰国した俺。
正直言って、時間が全く足りないほど勉強に明け暮れていた。
いや・・・、色々とあった事はご愛嬌かな?
その分、経験値がアップしたかもしれない・・・
東条財閥を背負う重圧は、これから直接味わう事になるだろう。
そうして社長に就任すると同時に、俺が手にしたモノ。
それは、心の底から欲して止まないモノだ・・・
「社長、おはようございます…」
平身低頭で一礼をするヤツが、佐々木 蘭。
元・幼馴染みでありながら、社長秘書を務めている。
「あぁ・・・行くぞ」
「かしこまりました…」
自信なさ気な表情と、か細い声にイラついてしまう。
いつも俯き加減で、俺とは眼を合わせようとしない。