すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
拓海の本心2
「蘭…、ようやく言える。
俺と結婚しよう・・・」
平静さを必死で保ちつつ伝えた、プロポーズの言葉。
「…っ、うっ・・・んっ――」
大きな瞳に涙を一杯溜めながら、コクコクと頷いてくれて。
幼い頃に抱いた淡い恋心が、ようやく形となれた瞬間だった。
「うぅっ・・・」
未だに不安げな表情の蘭を、もう離す事の無いようギュッと抱き締めると。
これまでの様々な出来事が、脳裏を過ぎっていく・・・