すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
東条家に嫁いだ私を待っていたのは、周りからの冷たい仕打ちだった・・・
苦しみも、辛さも、悲しみも…、すべてを乗り越えてきて今日があって。
何よりも私は、愛すべき健斗さんの存在があったからこそ。
彼の傍を離れたくない感情が、泣きそうな心を奮い立たせてくれたの。
さらに、大切な子供が生まれてくれたコト…――
「それじゃ…」
事訳も解らずにいる蘭ちゃんを引き連れて、部屋を退出した拓海。
東条を継ぐ者として、もう立派に一人立ちしている姿が誇らしく思えた。
宿命と理解した拓海は、いつでも笑顔で耐え抜いてくれたわね…。