すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~



だから…、ようやく結ばれて良かった・・・




拓海たちがいなくなったあと、何処よりも安心出来る場所へと身を寄せた。



「健斗さん・・・」


「ん・・・?」


それはフェラーリの香りを纏っている、爽やかで愛しいヒトの胸・・・




拓海に本社の経営を任せた彼は、海外を飛び回っているから。



滅多には帰国出来ないほど、多忙を極めているヒトだけれど。



東条家…、はたまた社員の為に奔走する彼を尊敬しているの…。




「愛してるわ、ずっと…」


「俺もずっと変わらないよ…」



素直に伝えれば、貴方はいつも笑って欲しい言葉を返してくれる。




運命的に出会ったアノ日から、もう30年は経つけれど。




愛おしいヒトへのキモチは、年月を重ねる毎に増すばかりなの。





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