すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
どんなお品を纏っても輝きを放つと信じて、物怖じしないで欲しい。
蘭ちゃんは特に、引っ込み思案なところがあるから・・・
「蘭ちゃん、そのお洋服素敵だわ!」
そんなトキ、彼女がふと手にした品があって絶賛していると。
「あ、あの…、拓海の車と一緒なんです…」
「え・・・?」
「あっ、ヘンな事を言って申し訳ありません…。
その、彼のベンツのホワイトと色が似ていて、つい・・・
それに拓海が、こちらのお洋服をプレゼントしてくれたので…。」
蘭ちゃんは恥ずかしそうに…、でも柔らかく笑って話してくれた。
「そう…、絶対にその品はゲットしましょうね!」
「え、で、でも…」
お値段を知っているからだろう…、躊躇う彼女が微笑ましい。
「でもね、ひとつお願いがあるの。
拓海にその姿を見せたトキ、さっきの言葉を教えてあげて…?
あの子、すっごく喜ぶと思うわ…」
「っ、はい・・・」
そんな幸せに満ちた表情をさせているのが、我が息子だと思うと嬉しくて。
天使のような笑顔に、私も一緒に幸せな気分を噛み締めていたの。