すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
それにFOXEYは、私も健斗さんから何度もプレゼントを受けていたから。
またしても同じ幸せが、息子たちにまで舞い降りてくれた気がしたの・・・
「えー、こんな夜中に出て行くのー?
寂しいじゃない、朝イチで出なさいよぉ」
「はぁ・・・」
最近バタバタと慌しい息子が、久しぶりに顔を覘いたコトに喜んだ日。
すぐに帰るという寂しさで、ちょっとワガママを言ってみたのだけれど。
盛大な溜め息をつかれてしまって、ちょっとガッカリしていると。
「明日から出張だし、蘭のお迎えを兼ねての“お礼参り”だから…。
お袋ありがとう、行ってくるよ…」
「ふふっ、行ってらっしゃい。
くれぐれも気をつけてね?」
嬉しい言葉を貰えたから、それだけでもうご機嫌になる私。
拓海が利用しているホテルには、もう到着しているハズだもの。
蘭ちゃんと購入して来た、FOXEYのお洋服がズラりと・・・
ベンツカラーのワンピースのお話で、お互いのコトをもっと好きになる――
幸せな2人の未来を想像して、また健斗さんに会いたくなっていたの…。
その翌日、未来への光芒に横槍が入るとも知らずに・・・
【FOXEYが齎した笑顔・理沙子視点END】