すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
蘭ちゃんは、絶対に分かっていないと思う。
というより、何も知らない彼女はきっと…いや、間違いなく。
拓海から嫌われていると、勘違いしているみたいだが・・・
「…自己顕示欲の強い、嫉妬深い男は嫌がられるぞー?」
「何とでも言ってろ…、蘭は俺のモノだ」
不都合でありながら、不条理な境遇を物ともしないうえに。
さらに幾らモテようが、蘭ちゃん以外には全く眼もくれない。
「…本題に入るが・・・
TS商事の件…、黒で間違いないな。
“黒幕さん”が尻尾を出すには、少しばかり証拠が足りないけど?」
そんな真実を彼女に言えない事が、マズイ状況を生んでいるというのに。