すべての、始まり。~貴方しかイラナイ~
自覚の日
私たちの出会いは、必然なモノだった。
だけれど、離れるコトも、また必然で。
それは眼に見えるキョリではなくて、心の問題だったの。
「蘭は昔から、そうだったよな。
辛いくせに我慢して、口外しようとせずに頑固で。
中学生の時、女共にイジめられても我慢してたし…」
「ッ――!」
秘密の部屋で別離を告げ、逃げようとして掛けられた言葉。
それはまさに、過去の始まりを辿っていくモノだった。
どうして今さら、アノ頃を穿り(ほじくり)返すの?
それも私にとって、ほろ苦いアノ時代であって。
すべてを自覚し始める、キッカケとなったトキを・・・