さよならの十秒前
驚いて修介が振り返る。

「あ…あの」

「…何?」

予想していたより優しい修介の声に、思わず涙が出そうになった。

「…なんで、私だったの?」

「…え?」

「どうして私に、坂井奈緒さんの死について調べさせたの?」

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