さよならの十秒前
修介は、少し微笑んだ。

「…三年の始業式の日」

「え?」

「下駄箱で、奈緒におはようって、言ったんだろ?」

「…うん」

「奈緒は学校に友達が少なくてさ。みんな腫れ物に触るみたいに接してきて」

「…」

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