さよならの十秒前
「でも、島井さんは普通に挨拶してくれた、って。うれしかったって、奈緒が言ってた」

そんなこと。

ただ一言、おはよう、って言っただけなのに。

「元気になったら、島井さんと友達になりたいな、って。そう言っていたんだ」

だから、修介は私を選んだ。

私は奈緒の想いに、胸が詰まりそうだった。

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