さよならの十秒前
「…さよなら」

修介がそっと囁いた。

「さよなら…」

私は離れていく修介の背中を、ずっとずっと、見送った。

さよなら。

そして、坂井奈緒にも。

いつか私が、あなたのもとへ還る日まで。

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