さよならの十秒前
シーソーの隣、赤いベンチに小泉は座っていた。

「やぁ、島井さん」

やってきた私に気付いて、彼は軽く手を挙げた。

夏休みだというのに、小泉は制服らしき恰好をしている。

「ねぇ、君さ」

「修介でいいよ」

「…修介さ」

「うん」

私は小泉、もとい修介の隣に腰掛けた。

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