さよならの十秒前
彼と坂井奈緒は、幼なじみのようなものなのだろうか。

「あ、そうだ」

私は昨日見た、西野の話をした。

彼の様子を聞いて、西野は腕を組んだままじっと黙っていた。

話終えた私も、黙り込んだ。

圧倒的にヒントが少ないのだ。

北の大地。

西野の様子。

ふと、修介が口を開いた。

「…奈緒には好きな人がいたんだ」

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