さよならの十秒前
「この間、さ」
私が切り出すと、西野は自分の足元を見たまま小さく頷いた。
「あの家に、何をしに行ったの?」
「…見てたんだ?」
西野は口の端を少し持ち上げた。
「うん…あそこってさ」
「坂井さんの家だよ」
「…うん」
やっぱり、そうか。
私が切り出すと、西野は自分の足元を見たまま小さく頷いた。
「あの家に、何をしに行ったの?」
「…見てたんだ?」
西野は口の端を少し持ち上げた。
「うん…あそこってさ」
「坂井さんの家だよ」
「…うん」
やっぱり、そうか。