この世で一番大切なもの
俺はまた片っ端から女に電話をかけた。
営業だと全く匂わせない会話をする。
好きでもないブサイクな女との長話。
これほど苦痛なものはなかった。
さりげなく会話の中でクレジットカードを持っているか聞く。
カードを持っていないと言った女の電話は早々に終わらせる。
レイヤが言うにはカードを持っている女は、いつ万が一の時の為サイフに入れっぱなしらしい。
だから電話でいちいちカード持ってきてなどと言わなくていいとのこと。
「なんか話してて楽しくなっちゃった。今日オゴリでいいからきてよ」
俺はそう自然に言った。
「えっ、マジ!ほんとにいいの?」
「いいよ。どうせ俺の売り上げになるし。彼女なんだから気にすんなよ」
次から次に思ってもいない上手い言葉が出てきた。
まるで生粋の詐欺師になっている気分だった。
いや、詐欺師だ。
俺は明白に女を騙そうとしている。
ホストとは肩書きだけの詐欺師だった。
「うれしい。いつもリュージ忙しくて中々逢えないし。逢えても少しだけだし。ほんと今日逢えるの夢みたい。ありがとう」
簡単に女は騙された。
俺は騙しておいて、なんてバカな女なんだろうと思った。
自分にか、女にか、分からないが吐き気をもよおした。
どちらの存在もとても醜く、とても愚かな存在に思えてならなかった。
電話を切る。
営業だと全く匂わせない会話をする。
好きでもないブサイクな女との長話。
これほど苦痛なものはなかった。
さりげなく会話の中でクレジットカードを持っているか聞く。
カードを持っていないと言った女の電話は早々に終わらせる。
レイヤが言うにはカードを持っている女は、いつ万が一の時の為サイフに入れっぱなしらしい。
だから電話でいちいちカード持ってきてなどと言わなくていいとのこと。
「なんか話してて楽しくなっちゃった。今日オゴリでいいからきてよ」
俺はそう自然に言った。
「えっ、マジ!ほんとにいいの?」
「いいよ。どうせ俺の売り上げになるし。彼女なんだから気にすんなよ」
次から次に思ってもいない上手い言葉が出てきた。
まるで生粋の詐欺師になっている気分だった。
いや、詐欺師だ。
俺は明白に女を騙そうとしている。
ホストとは肩書きだけの詐欺師だった。
「うれしい。いつもリュージ忙しくて中々逢えないし。逢えても少しだけだし。ほんと今日逢えるの夢みたい。ありがとう」
簡単に女は騙された。
俺は騙しておいて、なんてバカな女なんだろうと思った。
自分にか、女にか、分からないが吐き気をもよおした。
どちらの存在もとても醜く、とても愚かな存在に思えてならなかった。
電話を切る。