三日月<本編>
カラオケのオールに参加したくらいやから、みんな歌が好きみたいやった。


・・・うまいかヘタかはわかれるけど。


7人やし、みんなずっと曲入れ続けてるから入れて歌うまで約一時間かかる。


「え?この曲入れたん誰?!」


ってなるんはしょっちゅう。


青ちゃんはちょっと古めの、盛り上がり系の歌をずっと歌ってる。


拓也は・・・・・歌、ウマイ。


それもカナリ。結構高いキーも出てる。



ちあきが思うに、歌の上手い下手って、結構オンナの気持ちを動かせるものだと思う。


なんとも思ってなかった男がめちゃめちゃ歌上手くて、その上キュンってくるラブソング歌って意識しだしたって友達が周りにも結構おったし・・・。


それやのに、かなり気になる人がめちゃ歌が上手いときたら。


ヤバイ。




そんなこと意識しながら過ごしてた。


6時までのカラオケのフリータイムはかなり時間がある。


≪もー結構歌ったんちゃうん・・・≫


て思ってもまだ3時やった。


りょーちゃんが寝かけてる。もともとキレイな顔してるから、寝顔もオトコマエ。


「なぁ、りょーちゃん寝顔もめちゃオトコマエじゃない?」


青ちゃんと拓也に言うと、


「添い寝したりや」


なんて返された。もちろん冗談で。







カラオケって、冷たいドリンク飲むとだんだんテーブルに小さい水たまりできることが結構ある。 氷とけたりで水滴が落ちまくって。


ちあきはそれがいつも気になるから、お絞りもらって拭くんがクセやった。
別に誰とカラオケ行ってもいつもしてた事。


だから今日もコップ拭いて、テーブル拭いて・・・そしたらストローの入ってた紙の袋とかのゴミやらあるから飲み終わって空やったコップにつめて・・・・


そんなことしてたら、ちあきとは反対側の、拓也の隣に座ってたちょっと変わりモノのシンくんに


「イイ嫁さんなれるなぁ」


って言われた。


そしたら拓也は、


「俺の嫁。」


ってシンくんに言った。


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