闇と深紅に招かれて~完結編~

ハムは頷いた。


「戻りたくなんかなかったんだ。

オレは、

クズハといられれば、

それでよかったのに」


言うと、

魔王なハズのハムは、

大粒の涙を流した。


「助けてほしい。

クズハの体は、

タデ虫が運んで行った。

あいつら、ワープするんだよ。

オレは、止められなかった。

けど、まだ、

今なら、魂を戻せる。

だから・・・」


タデ虫、が運んで行った

ってことは、

“一縷ののぞみ”だ!!

あそこに行ったに違いない。



「そうだ、これを見て。」


ハムは、掌を

ボールを下から支えるような手

つきで止めた。


そこに、

すっぽり収まるように、

水晶玉が現われる。



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