”つぼみ”

 僕は、その時どんな顔を

していたんだろう?

哀れみの顔だったかもしれないし、

困った顔だったかもしれない。

はっきりしてるのは、

僕は、なにもしなかった事。

「だいじょうぶ?」

とかの言葉一つかけられなかった。

僕は、卑怯だと思う。


そして、もっと卑怯なのは、

彼女の転校の話しを聞いた時だ。

僕は、自分の罪を

軽くしたかったんだと思う。
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