”つぼみ”

 未来と僕の距離は、少しづつ

近づいていった。

未来も僕には、少し心を開いて

くれるようになって、たわいのない話、

テレビは何を見てるとか、音楽は、誰が

好きとか、そういう話しを、よく

するようになっていた。


ただ、時々、未来は、

完全に、僕に心を閉じる時が

あった。

そういう時、未来は、

僕からいつも離れていく。

僕と、未来が持っている

特殊な能力のせいもあると思う。

多分、知られたくない事が

あるんだと思う。


だから僕は、いつも話題に

気を使っていた。


未来との楽しい時間を、少しでも

長く共有していたかったから。
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