”つぼみ”

僕は、未来に嫌われない為に、

いろいろ気を使っている。

その頃僕と未来は、学校の休みの日とか、

一緒に映画を観に出かけたりとか、

あてもなくぶらぶら歩いたりとか、

個人的に出かけたりするように

なっていた。

だが、僕が未来を家に呼んだり、

未来の家に遊びにいったりする事は

なかった。

僕が未来を家に呼ばなかったのは、

未来の家を見てしまったからだ。

僕は気にしないけど、古い借家だったから…。

何となく、家庭の話しとかは、

避けた方がいいような気がしていた。

僕の家は、豪邸とまではいかないが、

かなりりっぱな家だと思う。

それを僕は、いいと思った事はないが、

なんとなく隠しておきたかった。
< 49 / 70 >

この作品をシェア

pagetop