”つぼみ”
僕は、未来に嫌われない為に、
いろいろ気を使っている。
その頃僕と未来は、学校の休みの日とか、
一緒に映画を観に出かけたりとか、
あてもなくぶらぶら歩いたりとか、
個人的に出かけたりするように
なっていた。
だが、僕が未来を家に呼んだり、
未来の家に遊びにいったりする事は
なかった。
僕が未来を家に呼ばなかったのは、
未来の家を見てしまったからだ。
僕は気にしないけど、古い借家だったから…。
何となく、家庭の話しとかは、
避けた方がいいような気がしていた。
僕の家は、豪邸とまではいかないが、
かなりりっぱな家だと思う。
それを僕は、いいと思った事はないが、
なんとなく隠しておきたかった。