”つぼみ”
「ごめん、聞くつもりなかったけど、
聞こえた。」
タケルは、一言謝って、
そう言った。
僕と未来は、黙っていた。
「だから、あんな言い方したんだ?
自分には、価値がない!って。
今もあるの?虐待?」
「今は、ない。」
「だったら、過去にこだわるのは、
おかしいでしょ?
虐待されてたからって、価値がないってわけじゃ
ないでしょ?ちょっと、思い込み激しくない?」
「そんなんじゃない!」
未来は、タケルにそう言って、
その場から、離れていった。