”つぼみ”

 未来は、翼に抱きしめられながら、

じっとしている。

僕は、ただ、ぼうぜんと…

そこを動けずにいた。



 「勇樹ー!」

タケルが走ってきた。


 ”遅すぎ…”と思いながら、

視線は、未来と翼から、離すことが

できなかった。


僕の視線の先の事に、タケルも気づいた。


 「いいのか?」
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