短編《ウェディングベル》



教会の扉の前であたしを待つ父。


許婚を勝手に探した張本人。


許せない気持ちがいっぱいで…。


バージンロードを歩くあたしはまだ躊躇っていた。


パイプオルガンの音が鳴り響き、扉が開く。


父に促され、教会へと足を入れざるおえない。


俯きながら一歩一歩。


好きでもない男に近く。


胸が張り裂けそうなあたしは唇を噛み、涙を堪える。


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