スーツを着た王子様
第二章
幸せ絶好調
「桃ーー!
起きてる〜?遅れるわよ?」
朝、1階からお母さんに呼ばれる。
「起きてるよ〜♪」
ルンルンと階段を降りる。
「朝からご機嫌だな?」
「たっくん!」
「はよ。」
゙たっくん゙とは私の6つ上のお兄ちゃん。
真崎建斗。
ここから少し離れた会社で働いてる。
母子家庭のうちでは、
たっくんが母親代わりみたいな感じだった。
すごく頼りになるんだ。
「なんだ?
ニヤニヤして。男でもできた?」
たっくんは昔からすごく勘が鋭い。