スーツを着た王子様


「桃。」



いつの間にか、結城さんは
私の向かい側のソファーに座ってる。


「桃。」


再び名前を呼ばれる。

手招きされてる。


私は素直に従う。


席を立って、結城さんの近くに行くと…



「キャッ!」


結城さんに手を引っ張られ、

あっという間に結城さん腕の中。


結城さんの足の上に座ってる。



「ゆ、結城さん!」

「ん?」



結城さんは平然と、
コーヒーを飲んでる。


「こぼれると熱いからじっとしてろよ?」



あのちょっと意地悪な笑顔で言われたら…









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